| 「でも、二人別々にして!犯罪者じゃないのに。」弥生は瞳を潤ませて警官隊を睨んでいた。そうこうしているうちに動きがあった。先に開放されてきたのはbだった。やや遅れて会長も解放された。二人は車の傍まで来ると、パタパタと上着やズボンをはたきだした。 「いってきました。」先に乗り込んだのは会長だった。会長は助手席に戻ると、後ろを向いて「新潟県警だったら、逮捕されていたな。」と言って笑った。(新潟では、山菜窃盗の犯罪者ベースに、リストされている)弥生は会長と握手しようと身を乗り出したが、師匠に止められた。 「外から来たものには、放射性物質がついているかもしれないから、洗わないとだめだ」と言った。bが乗り込むとまた弥生が手を差し出した。後部座席に有っては、師匠が止める間もなく、bが弥生の手を握りざま、引き寄せてかるがると倒れ込んできた彼女を抱き寄せてしまった。 |
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