| 「記憶せむ むすめふさほせ うたかるた」(稲畑汀子) 百人一首には冒頭の一文字で取れる札が7首あります。その頭文字を並べたのが「むすめふさほせ」です。 例えば む;村雨の露もまだひぬ真木の葉に 霧立ちのぼる秋の夕暮れ(寂蓮法師) め;廻り逢ひて見しやそれともわかぬまに雲がくれし夜半の月かな(紫式部) (す;文屋康秀 ふ;良ぜん法師 ほ;後徳大寺左大臣 せ;崇徳院)
百人一首は、天智天皇から順徳院にいたる歌人百人から一首ずつ、鎌倉時代 初期の歌人藤原定家が選んだものと伝えられています。京都市右京区嵯峨、小倉山麓にあった定家の別荘小倉山荘で編まれたことから「小倉山庄色紙和歌」または「嵯峨山庄色紙形」と称され、色紙一面に歌一首を四行書きにして、障子(襖のこと)に貼って楽しんだ「障子歌」であったようです。
さて、この百首、選りすぐった歌とは言えないようです。この道の権威によれば「思わず首をかしげたくなるような、あまりにも平凡な歌が多すぎる」との評があります。この謎を解くてがかりが定家自身の手で書き残された「百人秀歌」奥書で、「有名な歌人やすぐれた歌をたくさん漏らしている |
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